2021年、国は新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する人材確保を目的に、接種業務に係る収入を社会保険の被扶養者の年収要件130万円に含めない特例措置を講じました。この特例措置が当初から延長されています。
この特例措置は、「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例」といいます。
これは、健康保険などの被扶養者の認定及び資格確認の際に確認する被扶養者の収入について、新型コロナウイルスワクチン接種業務へ従事したことによる収入額を除外する特例措置です。
この特例措置は、当初2022年9月末までの措置でしたが、2022年9月からオミクロン株対応ワクチンを使用した追加接種が実施されたことに伴い、新型コロナワクチン接種の実施期間が2023年3月末まで延長されたことで、この特例措置も同様に延長されました。
上記特例措置があった場合においても、所得税の計算においては何ら考慮されません。実務上は、毎月の給与に係る所得税の源泉徴収時にこの収入は除外されずに、源泉徴収税額は計算され、徴収されます。
この取扱いは当初から変更ありません。
当然、給与明細書や給与所得の源泉徴収票にはこの収入は除外されていないため、これらを見て収入判断をされると問題となります。
必要に応じて、扶養者への情報提供を行いましょう。
新型コロナワクチン接種業務期間が長くなればなるほど、影響は大きくなります。特例措置の対象となる従業員がいる場合には、上記申立書の存在を知らせるとともに、申立書の作成に協力をしましょう。
参考:
厚生労働省HP
「新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例の延長について」